20代 男性
その後私は社会人になり、朝の混雑した電車に毎日のように乗るようになりました。はじめの頃は、痴漢行為をすることもなく通勤を続けていたのですが、会社での研修も終わり、少しずつ仕事の責任が大きくなり始めた頃に、何の気なしに電車内痴漢行為をしたところ、とてもスッキリしたような、自分の世界がもてた気がして、その後は電車内痴漢行為のことばかり考え、機会をみつけては、痴漢行為をしている自分がいました。そして、ある日、女性に腕をつかまれ、警察のお世話になることになってしまいました。朝の通勤時だったこともあり、会社にも連絡が行き、上司・同僚・付き合っていた恋人の知るところとなり、会社を辞めざるを得なくなり、そして、家族と弁護士のすすめでクリニックに通院し、治療を開始しました。
通院する中で、自分は性嗜好障害の可能性が高いことを告げられ、心理療法のプログラムを受けることになりました。その中で、自分自身が何故そのような行為をしてしまうのかについて振り返り、次同様の状況になったらどうするか、もしくは、同様の状況を作らないためにはどうするかといったことを中心に、自分自身を見つめる取り組みを始めました。そのおかげもあって、通院を始めて2年経ちますが、なんとか仕事に就くこともでき、電車内痴漢行為をやらずに過ごせている自分がいます。
30代 男性
それからというもの、小学校の下校時を狙っては、いろいろな子に声をかけ、良い笑顔を見せてくれる子の中には、性器を触ってくれ、その子の性器を触らせてくれる子もいました。そんなことを続けている中で、ある日、警察に事情聴取をされ、自分のしたことが事件として明るみに出ることになりました。確かに、子どもに手を出していた自分は、間違っていたと思います。家族にも迷惑をかけたので、これからは仕事を見つけ、頑張りたいという気持ちでいっぱいでした。
予想はしていたのですが、私への地元の風当たりは強く、仕事も思うように見つかりません。たまたま、知りあいのつてで、仕事が見つかったのですが、そこには私の中学の頃の同級生も務めており、自分の事件が広まるのには時間はかかりませんでした。自分の事件を知った人、もしくは、知る人がいる所では、仕事も生活もままならないことを強く感じています。今は、インターネットで探した性嗜好障害の治療をしてくれるクリニックに通院しながら、派遣の仕事をして、都内で過ごしています。
自分が間違ったことをしてしまった。そして、その結果多くの子供を傷つけてきた。私が治療を続けて、問題を起こさずに生活を送っていくことが大切であることはわかっています。いつかは、地元に帰って親孝行をしたいと思っていますが、それほど広くない地元で広がってしまった私の事件とその噂が続く中で、果たしてその望みはかなうことはあるのでしょうか。まだ、その答えは見つかりませんが、1日1日を頑張っていこうと、今は過ごしています。