依存症は否認の病気とも呼ばれ、本人が問題を自覚していないこともあります。その場合、途方に暮れるのは一番近くにいる家族です。そのため、当院では父親や母親、子供の依存症の問題で困っているご家族を対象とした家族相談を行っております。本人がいないのに家族だけで受診して意味があるのかと疑問に思うかもしれませんが、依存症という病気には十分意味があります。実は家族が良かれと思って行っている行動の中には、本人の依存症行動に拍車をかけてしまうものがあるのです。
たとえば、
本人が再び繰り返した際に「もうやらないって言ったのにどうしてまたやるの!嘘ついたのね!」と責めたり、過剰に「大丈夫?もうしてないよね?」と確認したりしていませんか?
本人が再び繰り返した際に「もうやらないって言ったのにどうしてまたやるの!嘘ついたのね!」と責めたり、過剰に「大丈夫?もうしてないよね?」と確認したりしていませんか?
上記の行動は「イネーブリング、世話焼き」「直面化」と言われており、むしろ本人が嘘をつく、会話を避ける、言い合いになるなど関係性の悪化に繋がりやすいのです。こうなると、治療を提案するどころではありません。しかし、家族が適切な対応を身につけることができれば、本人との信頼関係を築きなおし、問題と向き合うためのサポートをしていくことができます。
困ったことをオープンに話し合える良好な関係性ができて初めて、本人を治療につなげるチャンスも出てきます。また、本人が勾留されているために受診できない場合にもまずはご家族が受診し、当院の治療方針や本人受診後の流れについてご相談いただくことも可能です。もし弁護士さんがついている場合は、当院での司法対応を希望するかどうか、弁護士さんに確認してください。
1、家族勉強会
毎週 月曜日 10:20~11:50
全5回で依存症とはどういう病気なのか、その特徴や推奨される家族の関わり方や持つべき考え方など、依存症の基本的な知識を学びます。
2、CRAFT(クラフト)
毎週 木曜日 13:35~15:05
全8回で本人との良好な関係性を築くための考え方や声のかけ方について、実践を通して具体的なコミュニケーションを学びます。