「細くないな」。片思いしていた男の子が足を見て何気なく言った一言。それが引き金だった。「もっと痩せよう」と高校卒業間際に始めたダイエットを機に、17年間、私は摂食障害とアルコール依存症に苦しんだ。食事量を制限し続けていたが、仕事のストレスから多くの量を食べてしまう。以前、「食べた後に吐いている」とバイト先の人から打ち明けられた。「食べすぎても、吐けば太らない」目標体重の45kgになるまでと、私は始めた。毎日、過食嘔吐を繰り返すようになるにつれ、太ることへの恐怖と嫌悪感はどんどん増加。食べることから逃げるために、21才からアルコールを毎晩飲むようになった。28才で思いを寄せていた男性と別れると、悲しみと喪失感から過食とアルコールはエスカレートした。毎日、スーパーで見切り品の食べ物を買いあさり、おなかが膨れ上がるまで食べ続ける。体重34kg、心も体も限界だった。30才で仕事は辞めた。その後2年間、嘔吐物は1日バケツ3杯にもなり、毎日人目につかない早朝に父親が裏山へと捨てに行った。

毎日が生き地獄だった。でも吐くのを前提に食べると、本当に自由な気分になれる。過食の時間を待ち焦がれ、そのためだけに私は生きていた。心も体も壊れていくのを感じていたが、命に代えても太りたくはなかった。痩せることが私の人生の全てだった。