10代 女性
スマートフォンはとても便利で、調べものも早くできるし複数の友達との連絡も簡単にできました。親から携帯ばかりいじっていると怒られても、調べものをしていると嘘をつけば親は分かりませんでした。そのうちテスト前にスマートフォンを取り上げられると、メールがきているのでは、ラインで一斉連絡がきているのでは、返信しなくてはいけない、取り上げられていると分かると格好悪い、など頭を巡りとても勉強に集中できる状態ではなくなりました。今思えばその頃からネット依存と呼ばれる状態になっていたのでは・・・と感じますが、その時は強烈な不安感と親への反発心で、とても自分の状態を客観的に見ることはできませんでした。
高校になると、さらにスマートフォンなしではいられないようになり、友達を作るサイトやオンラインゲーム、当時流行っていたミクシーやフェイスブックなどでネット内で人間関係を作るようになっていきました。親から怒られるので、学校から帰ると寝て、23時頃起きて朝までネットするという生活になっていきました。家族との会話もなくなり、学校生活もつまらなく感じるようになった頃、親に連れられて大石クリニックへ相談に行きました。その頃は自分でも何かがおかしい、と感じていたのでネット依存という問題があると言われた時に、やっぱりこのままではいけないんだな・・・となぜか素直に思えたのを覚えています。
その後もスマートフォンは手放せませんが、ネット上の友達は全て断ち切ることができました。現在は月に一回診察を受けて先生に話を聞いてもらっています。以前の状態に戻らないためにも、しばらくは通ってみようかなと思っています。
30代 男性
徐々にパソコンに向かう時間が増えていき、オンラインゲームという仮想空間にどんどんのみ込まれていきました。次第に、「どうせ自分には彼女もできないし、大した会社にも行っていない」「お金もなければ、友人もほとんどいない」という思いが強くなり、「せめて仮想空間では誰かと繋がっていたい」「仮想空間では格好良くいたい」「誰にも迷惑はかけていないから、文句を言われる筋合いはない」などと言い訳しながらゲームを続けていました。
仕事は辞めていなかったものの、残業は極力断り、たまの友人からの誘いも断り、寝ている時と仕事の時以外は、ほぼオンラインゲームをしているという生活が続きました。それでも、自分がインターネット嗜癖であるとは思いもしませんでした。時間をゲームについやすだけでなく、ゲーム内のアイテムを購入するため、どんどん課金をしていきました。当初の「無料」という言葉は、完全に失念していました。何度か飽きたし、止めようと思ったこともありましたが、飽きた頃に新しいアイテムの投入やイベントの更新があり、止める機会を失っていきました。
昼夜が逆転し、部屋は荒れ、食事もろくにとらず痩せ細り、仕事は中途半端なままで、収入の道が途絶えかけ…、何より気付けば誰も私の周りにいない状態になっていました。連絡がとれず心配した母が私のもとを訪れ、結果大石クリニックを受診することになりました。今は回復の道を医師と一緒に探している最中です。