依存症の家族相談とは

当院は、「依存症等の問題を持つご本人」との関わり方にお困りのご家族のために、家族相談を行っております。アルコール・ギャンブル・薬物・ネット・盗癖・性的問題行動等で、ご家族が問題を感じご本人に何度受診をすすめても拒否される場合も多く、対応に困る事も多いと思います。

アルコール・ギャンブル・薬物・ネット・買い物・盗癖など依存症という病気は、依存症者本人が病んでいくばかりでなく、ご家族も病気や問題に巻き込まれ、心身の調子を崩してしまうことがある病気です。注意してもいっこうに改める気配がなくどう対応していいかわからない、何度受診を勧めても頑なに拒否されてしまう、そのためにご家族は不安やイライラを感じ、落ち込み、不眠になったり、家事が手につかないなどの状態になってしまう…このような時にもご相談下さい。

依存症者本人の対応にお困りのご家族に向けて、家族相談、家族教室プログラムを行っております。ご本人が受診を拒否されていても、ご家族のみでまずは受診・相談することができますし、関わり次第ではご本人を治療に繋げることもできるかもしれません。

ご家族の方でも健康保険で家族相談、家族教室の参加が行えます。まずは医師の診察を受けて下さい。
※医療費を軽減する *公費負担制度 も使えます。これを適用した場合、3分の1の料金になります。

初診料:約2,500円

*公費負担制度の場合:約700円

再診料:約1,300円

*公費負担制度の場合:約500円

*公費負担制度とは?

精神科の外来通院患者を対象とし、国、都道府県、及び指定都市が通院医療の90%を公費で負担する『自立支援医療公費負担制度』があります。申請されますと通常30%の患者様負担が10%の負担となり、各家庭の収入にあわせ、1ヶ月の自己負担上限額が定められます。継続的な治療をよりし易くするために、お勧めご案内しています。制度についてより詳しい内容をお知りになりたいときは、お住まいの役所や精神保健福祉センターにお尋ね下さい。

家族勉強会

全疾患の家族対応
依存症は否認の病気とも呼ばれ、本人が問題を自覚していないこともあります。その場合、途方に暮れるのは一番近くにいる家族です。そのため、当院では父親や母親、子供の依存症の問題で困っているご家族を対象とした家族相談を行っております。「本人がいないのに家族だけで受診して意味があるのか」と疑問に思うかもしれませんが、依存症という病気の場合には十分に意味があります。実は、家族が良かれと思って行っている行動の中には、ご本人の問題行動を維持あるいは悪化させてしまうものがあるのです。

家族勉強会

毎週月曜日 10:20~11:50
依存症とはどういう病気なのか、特徴や適切な家族の姿勢・考え方など、依存症の基本的な知識を全5回で学びます。

クラフトプログラム

コミュニティー強化と家族トレーニングを使用(特にご本人が受診を拒否する場合)
依存症等の問題を抱えるご本人は、病識が薄いこともあり、なかなか治療に繋がってくれません。何度も受診を勧めても頑なに拒否され、その度にご家族の不安・心配・イライラ等は増すばかりです。このプログラムでは、家族が当事者(問題を抱えるご本人)とのコミュニケーションを変えることで、ご本人との関係性の改善を目指します。また、家族自身の生活の質の改善も見込めます。さらに、ご本人が困ったことを相談できるオープンな関係性ができれば、治療に繋げるきっかけになります。臨床統計による数値では、ご本人が治療に繋がった成功率は64~86%であり、平均すると70%の人が何らかの治療に参加したというデータがあります。また、ご本人が治療に繋がらなくとも、このプログラムを受けたすべてのご家族が、以前と比べて幸福度が増し、抑うつ気分と怒りが減少し、ご家族の結束力がより強まり、衝突が減ったといいます。当院では、このプログラムを全8回で行っています。

クラフト(CRAFT)

毎週木曜日 13:35~15:05
全8回で本人との良好な関係性を築くための考え方や声のかけ方について、実践を通して具体的なコミュニケーションを学びます。

家族教室

アラノン+ジョンソン形式
家族教室は、当事者ご本人との関わり方と依存症問題の解決について適切な方法を一緒に考えていきます。ご家族自身の回復を主眼において、「疾患の理解」「家族の回復」などのテーマに基づく集団精神療法です。ご家族のニーズに応じながら、当事者ご本人に対する強い不快反応の低減を促進する役割を果たしています。家族教室は同じ体験を持ったご家族と知り合い、今までの悩みや苦しみを語れる場です。病気についての正しい知識を得て、対応に役立ててみませんか?

毎回スタッフが持ってくるテーマに沿って家族自身の考えや感じたことなど、体験を話します。他人に話せないような内容でも同じ問題を抱えたご家族同士であれば、安心して話ができます。

アルコール依存症(母・父・家族の会)
薬物依存症(家族の会)
毎週金曜日 10:20~11:50
アルコール依存症(妻(配偶者)の会)
ギャンブル依存症(家族の会)
毎週月曜日 13:35~15:05
依存症 家族相談
性嗜好障害(家族の会)
第2・4 水曜日 13:35~15:05
ネット依存 家族の会
第2・4 木曜日 13:35~15:05

治療の効果と特色

家族相談には、クラフト以外に代表的なものとしてもう2種類があります。ここでは3つのやり方の特徴と治療効果を一般的な専門書よりまとめてみます。当院では、①型と、②型+③型(併合型)の2種類を実施しています。

①クラフト型:当事者ご本人が受診を嫌がるケース

特色
当事者ご本人に治療を受けていただくための手法について家族が学びます。ご家族自身が自分のニーズを満たしていく方法も提供します。

治療効果

当事者ご本人が治療を受ける割合は、一般的には64%です。家族の抑うつ気分、怒り、衝突は減少し、幸福感や結束力は増加します。

②アラノン型:当事者ご本人と距離をおくケース

特色
ご家族に対して「愛をもって手を放すこと」を提示し、ご家族自身の回復・自立を促します。

治療効果

当事者ご本人が治療を受ける割合は、一般的には10%です。家族の抑うつ気分、怒り、衝突は減少し、幸福感や結束力は増加します。

③ジョンソン型:直接対決するケース

特色
当事者ご本人に問題を直面化し、治療を受けるように説得する機会を備え、ご家族に準備を進めていただきます。ご本人の通院継続に問題があると言われています。

治療効果

当事者ご本人が治療を受ける割合は、一般的には30%です。家族の抑うつ気分、怒り、衝突は減少し、幸福感や結束力は増加します。

① クラフト型

①クラフト型:当事者ご本人が受診を嫌がるケース

特色
当事者ご本人に治療を受けていただくための手法について家族が学びます。ご家族自身が自分のニーズを満たしていく方法も提供します。

治療効果

当事者ご本人が治療を受ける割合は、一般的には64%です。家族の抑うつ気分、怒り、衝突は減少し、幸福感や結束力は増加します。

② アラノン型

②アラノン型:当事者ご本人と距離をおくケース

特色
ご家族に対して「愛をもって手を放すこと」を提示し、ご家族自身の回復・自立を促します。

治療効果

当事者ご本人が治療を受ける割合は、一般的には10%です。家族の抑うつ気分、怒り、衝突は減少し、幸福感や結束力は増加します。

③ ジョンソン型

③ジョンソン型:直接対決するケース

特色
当事者ご本人に問題を直面化し、治療を受けるように説得する機会を備え、ご家族に準備を進めていただきます。ご本人の通院継続に問題があると言われています。

治療効果

当事者ご本人が治療を受ける割合は、一般的には30%です。家族の抑うつ気分、怒り、衝突は減少し、幸福感や結束力は増加します。